コラム/インタビュー

2019/03/11

アピールポイントをチェックして上手く自己PRをしよう!

ESや面接などにおいて「自己PR」は志望理由と並び頻出される質問です。受験する皆さんにとっても自分の性格だけでなく、仕事への適性や意欲をアピールできる絶好のチャンスでもあります。しかし、自分の良さを自分で見つけることや、それを人に伝えて理解を得ることは容易なことではありません。ここでは自己PRにおけるアピールポイントの見つけ方と伝え方について考えてみましょう。

試験官の関心を引く

就職試験の試験官は1日に多くの受験生と面談を行います。受験生の個性はそれぞれですが、自己PRを通じて仕事への適性と意欲を伝えたいという「戦略」は皆に共通しており、それを文章や言葉にすると表現や結論はどうしても似通った表現になってしまいます。そのような状況で、皆さんが試験官の関心を引き出し、「印象に残る受験者」になるようなアピールをするためにはどのようにしたらよいでしょうか。そして、自己PRから試験官が知ろうとしているのはどのようなことでしょうか。

社会人基礎力

「社会基礎力」という考え方があります。これは経済産業省が提唱しているもので、人生100年時代を迎えようとするなかで、企業や社会において活躍し続けるために求められる力を示したものです。それは主に3つの能力から定義されています。

①「前に踏み出す力=一歩前に踏み出し失敗しても粘り強く取り組む力」(アクション)

②「チームで働く力=多様な人々とともに目標に向けて努力する力」(チームワーク)

③「考え抜く力=疑問を持ち考え抜く力」(シンキング)

業種や職種にもより企業が求める能力はさらに加わりますが、この3つの能力は基礎として共通しているということです。皆さんが自己PRでアピールするべきこと、そして試験官が知ろうとしているのはこの3つの能力です。

学生時代の体験から

自己PRは抽象的な表現になるほど、誰にでもあてはまるような特徴のないものになってしまいます。そこで、あなたが学生時代に経験したエピソードを題材にしましょう。できれば失敗や苦労をしたことを取り上げてみてください。過去の失敗を話すのは恥ずかしいことかもしれませんが、うまくいったことより、そうでなかったことのほうが深く記憶に刻まれているのではないでしょうか。学業やサークル活動、友人関係、アルバイトなど、苦労した経験が学生時代の財産でもあるからです。

アピールポイントをチェックする

では、どのようなエピソードを自己PRの題材とすればよいのでしょうか。それには経験から得たものを整理し、「社会人基礎力」に当てはめることができるか考えてみることです。
まず「あなたの掲げた目標とその実現に向けた努力」です。学業やサークル活動などであなたは何を目標に、どのような努力をしてきたでしょうか。そして上手くいかなかったとき、苦しかった時にどのような考え方や反省をしたでしょうか。特に苦労をしたことを題材にすると自ら成長する力=主体性をアピールすることができます。逆に成果を強調するあまり順調に成功した印象を与えてしまうと、あなたの魅力は伝わらなくなってしまいます。
つぎに「周りの人たちとの関係」です。大学生になると同世代であっても様々な価値観を持つ人たちと関わることが多くなります。微妙な利害関係から対立関係になる場合もあるでしょう。社会ではそのような人たちともどのように付き合っていくかが「協調性」として評価されます。理解ある仲間に囲まれて成長することができた、ではアピールになりません。
最後に「成果」です。さまざまな経験によって自分はどのような成果を得ることができたかを論理的に伝えることができるでしょうか。この結論を伝えられなければアピールとしての効果がありません。経験を共有していない人にも、そこでの出来事や課題解決へのプロセスを明らかにする力=論理性が試されます。

 

「書く」ことの大切さ

就職活動において「書く」ことは非常に重要であり、「就活ノート」とつくることを強く勧めます。自己PRにおいても、まず様々な経験を文章に起こしてみましょう。このとき箇条書きではなく、文章にすることが重要です。書き上げることができたら、これを添削して文章のボリュームを小さくしながらアピールポイントを絞っていきます。自己PRの評価は長さではなく、判りやすさで決まるからです。そして、作文でも面接でも対策で必要なのは、できるだけ多くの人に評価してもらうことです。就職試験の評価も全て他人が行うのであり、あなたがひとりで仕上げようとしてもそれが正しいものになるとは限りません。自分ではあたりまえと思うことがほかの人には伝わらなかったり、自分が思わぬところを高く評価されたり、ほかの人の評価はあなたの自己PRをよりよくするために必要なことです。家族や友人、先輩など身近な人たちへ積極的に支援をお願いしましょう。

面接での自己PR例

「私は仲間を大切に、感謝の気持ちを忘れずに日々努力することを大切にしています。中学から高校、大学と吹奏楽部に所属しトランペットを担当しており、大学3年からは部長として活動をしています。吹奏楽部はメンバーが多く、スケジュールの調整や練習場所の確保、演奏会場への移動など、連絡調整が非常に大変です。特に練習場所については音の問題もあり、学内での練習では騒音苦情が寄せられることがたびたびありました。そこで、私はまず部内で練習ルールを決め、教務部や学科との交渉にあたりました。そしてメンバーにも場所や時間を守ることをお願いしました。まず私たちが練習できることに感謝の気持ちを持つことが大切だと説得したのです。こうして自分の練習よりも連絡調整係としての活動が長くなり、それがストレスと感じることもありました。しかし、演奏会を無事に終えお客様から大きな拍手をいただくと、演奏できた喜びを感じることができ、安堵感とともに次の演奏に向けての意欲も沸いてきます。そして、演奏はステージに上がるメンバーの力がなければ成立しません。すべてのメンバーがやりがいを感じる場として、パートや学年を超えてコミュニケーションをとることで音楽に向かい合う環境を整え、リードする責任も身についてきたと思います。」

 

大切なことは他の人の視点や意見をまとめること

自己PRは単に自分の長所を伝えるのではなく、企業が求める人材とマッチしていることをアピールすることが大切です。そこで意識すべきことが「社会人基礎力」です。学生時代のエピソードから、社会人基礎力の3つの要素について、持っている力と成長の様子を具体的に伝えていきます。これをまとめるには自分だけの考えではなく、ほかの人の視点や意見をもとにまとめていくことが大切です。ほかの人からの客観的な評価を受け入れることで、自分では気づかなかった良さを発見できることも多いからです。
自分の特徴や仕事への適性を知ることは就職活動を進めるうえで大切なことです。逆に言えば、自分のアピールポイントが曖昧なままでは就職活動はうまくいきません。相手に適切に伝えるためには文章を書いたり、他の人にインタビューしたりするなど、まとめるためには手間と時間がかかります。したがって自己PRについての取組はできるだけ早い段階に取り掛かり、まとめてしまうことをお勧めします。仕事に対する自分の適性を明確にすることで企業への説得力が高まるだけでなく、あなたへの自信にもつながります。できれば、いくつかのエピソードで自己PRができるように準備しておくとよいでしょう。苦労が多い就職活動を乗り切るために、ぜひ自己PRに力を注いでください。