コラム/インタビュー

2019/08/19

就活人気ランキング安定上位の総合商社ってどんな業界?

総合商社は、華やかなイメージが強くて、平均年収ランキングでも常に上位にランクインしており、文系の学生から人気の業界として知られています。同時に、内定をもらうのが難しく、人一倍の努力を要します。今回はそんな総合商社の業界研究をまとめます。

専門商社と総合商社

総合商社の業界研究に入る前に、商社には専門商社と総合商社の二つの種類があることを知っておきましょう。専門商社と総合商社は扱う商材も、ビジネスの規模も大きく異なります。

専門商社

専門商社とは、売上比率の半分以上が特定の商材である商社を指します。
それぞれの専門商社が取り扱う商品は主に、
食品、鉄鋼、機会・半導体、繊維、化学、医薬品、日用品、燃料・エネルギーなどがあげられます。

具体的に、
三菱食品(食品)、豊島(繊維)、伊藤忠丸紅鉄鋼(鉄鋼)などがあげられます。

総合商社

総合商社は、多種多様な商材を取り扱い、それに応じて事業を展開します。
専門商社の倍以上の規模があるのが特徴です。

総合商社の中でも、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅は五大商社と呼ばれます。それ以外には、豊田通商などがあります。

総合商社での仕事は

総合商社はBtoC(ビジネスの相手が消費者)ではないので、学生にとって商社がどんな仕事をしているかイメージが湧かない人が多いかと思います。

主に総合商社の仕事は、

トレーディング事業
事業投資

の二つに分けられます。

では具体的にトレーディング事業と事業投資、それぞれについて解説していきます。

トレーディング事業

トレーディング事業では、商材を売りたい会社とそれを買いたい会社を仲介しており、その仲介料が主な利益となります。
バリューチェーンという原料調達から加工、製造、流通販売、アフターサービスといった一連の事業活動を行います。
この活動の中で、コミッション(仲介手数料)とマージン(買価と売価の差)が発生し、これが商社の利益になります。

また、それぞれの企業で培ったビジネスネットワークを利用して、スムーズにトレーディングができるような以下の仕組みも提供します。

金融 例:商材を購入したい企業にお金を融資する
情報 例:取引先の企業のマーケットを開拓するための情報を提供する
物流 例:商材を運輸するための航空機の手配

事業投資

基本的に、事業投資は総合商社だけで行われています。
バリューチェーンを構築するための事業投資、具体的には企業の株式の買収、経営改革で、商社がビジネスに参入できるようにします。

例えば、
ある商社Aがコンビニエンスストアの株を購入してビジネスに参入したとします。
そして自社の商材の食料品を、そのコンビニエンスストアで販売することで、

自社の商材の販路を拡大
コンビニエンスストア商品の生産から販売までの効率化

の二つが生まれ、商社Aとコンビニエンスストア双方に利益が発生し、シナジー効果を生んでいます。

このように総合商社の強みである幅広い種類の商材、ネットワークを活かして、様々な事業に投資をし、ビジネスの幅を広げます。

どうして人気なの?

では、総合商社は具体的にどのような点において学生からの人気を保っているのでしょうか。

裁量権が大きい

総合商社では若いうちから新規事業の開拓などスケールの大きい仕事が任されます。
何十億という大規模なビジネスの裁量権が与えられるので、他の業種に比べてやりがいを感じられます。

また、転職や起業を考えている学生にとっても、早いうちに出来るだけ多くの経験を積んで同世代に差をつけられることが人気の要因の一つです。

グローバルに働ける

総合商社は日本特有の企業形態だと言われます。なぜこのような企業が日本で発展したかと言うと、日本に資源が少ないことが理由だと言われています。そのため、貿易によって海外から資源を調達し、その資源で日本のメーカーがモノづくりをし、さらに海外に輸出すると言う流通形態が発生しました。これと共に日本のビジネスシーンで総合商社が力をつけていったのです。

つまり、総合商社に入社すると世界を相手にビジネスをすることになります。海外転勤や海外出張も頻繁にあり、世界を股に掛けるビジネスパーソンとして活躍できます。

年収が高い

総合商社は他企業と比較して、圧倒的に年収が高いのが特徴です。
2017年度の五大商社の平均年収を見てみると、

三菱商事  1540万円
三井物産  1419万円
伊藤忠商事 1460万円
丸紅    1322万円
住友商事  1304万円

と夢のある年収が期待できるのがわかります。
20代で500万円、30代で1000万円の年収に届くと言われています。

日本のサラリーマンの平均年収は420万円だと言われていますから、平均の2.5倍ほど稼ぐことができます。

総合商社内の職種

総合商社内でのキャリアの特徴として、背番号制と呼ばれる制度があります。
これは、入社時に配属された部門の中で出世をしていく制度です。そこでの知識、経験を積み、その部門の専門のビジネスパーソンになるものです。

日本企業によく見られるジョブローテーション(様々な部署を周り、総合的な知識や経験を深める)と相反する制度です。

では、総合商社には具体的にどんな職種があるのでしょうか。

営業

営業職は商社の花形職種です。
上記のトレーディング事業、事業投資は営業職の人が中心にビジネスが回ります。

業務はオフィス内よりも、外回りが基本です。取引先の企業の担当者とコミュニケーションを取りながら、信頼を築いていくことが大切です。

事業企画

新規事業を始めるために、具体的なプランを企業に提案する業種です。
プランを受け入れてもらうためには、社会情勢、政治経済の状況を理解することや、相手を説得させるプレゼンテーションスキルが求められます。

それ以外にも経営戦略やコンサル的な役割を担うことも多く、企業のこれからを決める大事なポジションです。

営業事務、貿易事務

商社の事務職は主にこの二つに分けられます。

営業のサポートをする営業事務は、外回りに出る営業担当の代わりに、資料の作成や電話対応などデスクワークを請け負います。
貿易事務は、輸出入を円滑に行うための事務手続きを請け負い、通関手続きに関する知識が必要となります。
海外との取引の多い総合商社では、どちらの事務職でもビジネスレベルの外国語能力を必要とされます。

求められる人物像

厳しい選考の中、総合商社の内定を勝ち取った人たちには4つの共通点があります。

外交的

商社は企業と企業を繋ぐ役割を果たします。内にこもって研究をするような”オタク気質”よりも、人との信頼を築くようなコミュニケーション能力がある人が求められるのは言うまでもないことでしょう。

コミュニケーション能力を構成するものは様々で、それが個性の出しどころだと言えます。
例えば、笑顔が素敵な人もいれば、言葉巧みに相手を説得できる人、相手の話をよく聞いて話を引き出すことが上手い人など、自分の素養にあったコミュニケーション能力を培うことが大切だと言えます。

外国語能力

海外との取引が主な総合商社において、外国語能力は必須です。
基本的にビジネスは英語で行われますが、取引先の企業によって英語以外の外国語も重宝されます。

外国語能力に伴って、異文化理解能力も求められることです。
言葉だけで人と人を繋げることは難しく、相手の国、企業の文化を理解して、何が求められているのかを察知できるような能力があればビジネスが上手くいきます。

主体性

自社の商材を持たない総合商社では、攻めの姿勢で、次々にビジネスに参入していかなければいけません。
その上で、受動的に仕事を請け負うよりも、仕事を見つけてくるような主体性が求められます。

学生生活の中でも、ゼミやサークルなど主体的に行動できるように心がけ、ガクチカなどでアピールできると理想的です。

体力

総合商社では、高いお給料に比例したハードな業務をこなしていかなければなりません。肉体的にも精神的にもタフでないと先輩や同僚についていけません。

いくら優秀でも体力がないとすぐに退職してしまうことに繋がるので、インターンなどで企業体質を知り、自分にあっているかを確認することが必要です。

これからの総合商社の動き

商社は企業と企業の合間を取り持つ商社は、社会情勢の影響を大きく受けます。

では、これから、総合商社のビジネスはどのように変化をしていくのでしょうか。

商材の非資源化

現在、五大商社の純利益は最高益を更新しており、それには非資源分野での増収が貢献していると言われています。

中国経済の失速やアメリカへの輸出規制の影響により、資源分野での減収が予測されています。
また、IoT(Internet of Things)やAI化など見えない情報分野が発展することもあって、これから非資源分野での事業拡大が期待されます。

まとめ

今回は総合商社の基本情報から、新卒に人気の理由、求められる素質、そして将来の総合商社の動きについてをまとめました。総合商社は就活市場では人気が高く、多くの学生がエントリーします。そこで内定を勝ち取るためには、深い企業研究と自己アピールが必要です。その為にも継続的に勤務できるようにインターンでどんな状況で力を発揮できるのかを確かめることが大切だと考えられます。

参考にしたい記事

伊藤忠丸紅鉄鋼本選考ES
インターンを探すうえで大事なこと
業界研究・企業研究はここで差をつけろ!!今の時代ならではの方法とは。