コラム/インタビュー

2019/06/21

経団連とは?就活への影響力について

「経団連」という名前をテレビのニュースやネットの記事などで見聞きしたことがある人は多いのではないでしょうか?ですが、経団連とはどんな団体で、どんな活動をしているのか、なぜニュースに名前が出てくるのかを知っている人はあまり多くはいないでしょう。経団連は企業だけでなく就活事情にもかかわる団体であり、経団連の動向を無視することはできません。そこで、経団連という団体について、また就活事情にどんな影響を与えているのかについて解説していきます!

経団連ってどんな団体?

経団連は「一般社団法人 日本経済団体連合会」の略称です。(※一般社団法人になったのは2012年からです。)戦後日本の経済の再建・復興を目指し設立され、今も企業、個人、地域の発展を通して日本の経済の自立的な発展を目指し活動しています。具体的には、企業からの意見回収を行い集めた意見をまとめて政府に提出したり、企業行動憲章というものを定め遵守するように働きかけることで、日本企業の信頼の醸成やガバナンスを整えたりすることに貢献しています。また、政府に対しては政策提言や、実際に諮問会議に参加するといった活動を通して制度の整備や経済活動の促進を行っています。つまり、経団連は日本企業の活動を促進するようにアプローチしたり、政府に働きかけることで日本社会の経済活動を活性化させたりすることで、日本の経済を成長させようと活動しています。
また、所属している企業・団体は合計で1500社(団体)以上存在しています。これら多くの企業や団体が経団連という一つの共通項によってつながることによって企業間の連携が生まれたり、政策提言や施策に対して迅速に対応・反映することができたりしています。

なぜ経団連の動向が就活に関係するの?

次になぜ、経団連が就活にも大きく影響していくのかについて解説していきます。上にも書きましたように経団連には多くの企業や団体が所属しています。そのため、強制力があるわけではありませんが、経団連での決定には多くの所属企業が賛同することになります。例えば、経団連が個人情報の取り扱いについて取り決めを行った場合、所属している多くの企業はその取り決めに則った企業内ガバナンスの整備をするでしょうし、経団連がSDGsに則った成長戦略を謳えば所属企業の多くはSDGsに取り組んでいくことでしょう。そして、採用活動に関しても例外ではありません。経団連が採用の方針を変更するよう政府と調整したならば、多くの企業が採用の方針を変更していきます。そして、実際に近年中に採用の方針を変更することを経団連が表明したため今後の就活事情が大きく変わることが想定されます。

*SDGsとは…2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。(外務省HPより引用)

経団連でどのような議論がされたの?

経団連は2019年4月に採用とインターンシップの在り方について分科会にて議論を行い、レポートを公開しました(経団連HPより 採用とインターンシップのあり方について)。どのような議論がなされてきたのか今から解説していきます!

今後の雇用システムや採用のあり方

世界的に技術の進歩や時代の変化に対応するためには従来の新卒一括採用からの社内での人材育成だけでは、世界から取り残されてしまうことが予期されます。そのためこれまで行われていた新卒一括採用に加えて、今後は専門性といったスキルを重視したジョブ型採用や採用可能期間を制限しない通年採用制を実施すること等、学生のニーズに沿えるように多様な採用形態へ段階的に移行していくべきであると、産業界と大学間で合意しました。

そのため、今後の課題として企業側にはジョブ型採用や通年採用を行っていく中でどのような人材を期待するのか、また採用後のキャリアフローはどのようなものを想定しているのかを明確に描くことが求められます。
一方大学側は、今後求められると思われるAI人材やFin Tech人材、データ・サイエンティストなどに対応した教育カリキュラムを組んでいくことを求められています。さらに、今後ジョブ型採用など専門性を磨き自分という存在を磨くことで「就社」ではなく「就職」することを意識するためにも、大学1~2年生の間でキャリア教育にも力を入れていくことが必要であるという見解をまとめました。

留学生の採用について

社会のグローバル化やダイバーシティ化に合わせて、外国人留学生や留学経験者を積極的に採用することを示唆しました。外国人留学生に関しては企業は高いレベルの語学力を求めるのではなく、留学経験者だからこそ、外国人のその人物だからこそという観点から評価をすることが企業に求められていくという指摘を受けています。

大学院生の採用の方向性と課題について

ジョブ型採用が浸透していくことにより、今後は専門性がより尖っている大学院生の採用枠も増えていくことが想定されます。しかし、大学院生の専門性というものがどのようなものなのかであったり、上記のように専門性に尖った人材をジョブ型採用した後にどのようなキャリアフローがあるのかという部分が不明瞭でもあるため、今後明確にしていくことが企業側と大学側の双方に求められていきます。

ですが、グローバル化が進み海外企業との提携や海外進出が普遍化しており、欧米企業の幹部層は修士以上の学歴が当たり前になっていることから、大学院生をより積極的に登用するべきであるという声も出ています。

インターンのあり方について

インターンの目的としては、キャリア形成の一助にすることや、専門性の育成、就職後のミスマッチの防止などが双方にとっての目的です。

しかし、現状としてはその目的に合致しないような様々な形態や対象へのインターンが実施されており、企業側と大学側の間で再度インターンへの認識の調整や活動内容によっては言葉を使い分けることが必要ではないのかという議論が行われています。

具体的には、長期インターンは本来の目的に近い内容で運営されているが、1Dayインターンのようなわずかな期間しか実施されないものについては目的を満たせていないためインターンという表現をやめるようにする案が出ています。また、これまでは一括採用であったため、インターン参加からの採用の囲い込みという流れはシステムの抜け穴として扱われていました。

しかし、今後通年採用やジョブ型採用が始まる中で、インターンを採用に直結させることへの是非なども議論されています。

今後のアクションについて

これらの議論を踏まえ今後産業界と大学側で協働して起こしていくアクションが以下のようにいくつか挙げられました。
・今回の議論を踏まえて、産業界や大学、政府に対して提言をし、そのフィードバックを基に採用やインターンのあり方についての結論をアップデートしていく。
・採用形態の移行に向けて、円滑に移行が進むように障壁となりそうなものの特定やそのための解決策を議論。
・大学1~2年生向けのキャリア形成のためのプログラムについて議論。
・インターンの定義を見直したうえでのインターンから採用への連続性や情報の取り扱いに関するガバナンスの整備

今回はリンク先の資料から、就活やインターンに関わる部分のみ抜粋して要約をしました。この他にも経団連は海外経済動向に関することや、持続可能な開発や企業の発展について議論を行い、見解をまとめ各方面に提言を行っています。

まとめ

今後、経団連の意向により就職活動において変更の可能性が高い事柄をまとめてみました!
・一括採用⇒通年採用・ジョブ型採用へ移行
・グローバル化による留学生・留学経験者の積極採用
・ジョブ型採用推進による大学院生の積極採用

これまでに書いてきたように、経団連も細部に関して未だ議論中の物事が多いです。ですが、大枠として就活に関する部分に関しては今後これまでの一括採用から通年採用やジョブ型採用に移行していくことへの意思は固めています。そのために基盤を整えるための議論が多くなされている状況でしょう。

よって、これからも自身に対してどのような影響があるのか、そしてそれが有利な流れなのか、不利な流れであればどのようにして乗り越えていくべきなのかを意識しながら経団連の名前が出てくるニュースには注視していきましょう!