就活コラム

2020/04/15

新卒フリーランスは甘い考え?就職すべき?メリット・デメリットなど徹底解説!

大学卒業と同時にフリーランスになる若者が、しばしば話題になっています。その度に、「新卒カードを捨てるのはもったいないのでは?」「いきなりフリーランスなんて甘い!」といった意見が出るのも耳にしますよね。

フリーランスになると、やりたくない仕事は受けなくて良いのが魅力と感じるかもしれません。しかし、仕事を選べるようになるまでには長い道のりがあります。まして社会経験のない状態だと企業との付き合い方も分からないでしょうし、独立するのは厳しいと言わざるを得ません。

人生でたった一度しかない新卒での就職。それを蹴ってまで新卒フリーランスになる必要は、はたしてあるのでしょうか?

本記事では、新卒フリーランスへの世間の意見、メリットとデメリット、新卒フリーランスに求められるスキルや資質について解説します。

新卒フリーランスは甘い?会社員や現役フリーランスの意見は?

まずは新卒フリーランスに対する世間の声を見てみましょう。

<賛成派>

・収入が不安定でも、家庭を持っている人達とは違い、社会に出たての若いうちならまだ大丈夫。

・フリーランスになると、自ら世の中に対して価値を生み続けなければならないため、成長したい人にとっては最高の環境。

・会社員をしていると、漠然とお金を貰うだけになりがち。フリーランスなら価値とお金のバランスや、稼いだお金の活用法を理解できる。

・フリーランスとしてやっていくために長期間しっかりと努力をするので、そのぶんスキルが付き、経験も増えるため人間としての価値が上がる。

若いので失敗しても大丈夫、社会について学べるので成長できる、などの意見がありますね。

<反対派>

・社会に一度も出ていないので、社会人として最低限の常識が身に付きづらい。

・高いお金を出して大学まで出してもらったのだから、その経歴を元に、新卒社員のカードを使わないのはもったいない。

・大きな仕事がしたければ会社に入った方が方がチャンスに恵まれやすい。

・一人で仕事をしていくなんて考えが甘いし、簡単に考え過ぎている。

・スキルがない理由をまだ若いからと言うが、本当にこれから身に付ける努力ができるのか?フリーランスは教えてくれる人がいないので、スキルアップしづらい。

社会に出たこともない若者が本当にできるのか、考えが甘いのではという意見ですね。

新卒フリーランスになるメリット

新卒フリーランスへの世間の意見、賛否両論ありましたね。では、実際になるメリットとデメリットには何があるのでしょうか。

まずはメリットから解説します。

わずらわしい人間関係がない

大きなメリットは、わずらわしい人間関係がないことです。

会社勤めをしている人で、「なんであんな奴が上司なんだ」「あの同僚が気に食わない」といったような、人間関係の不満を持っていない人はほとんどいないですよね。しかし、フリーランスであれば仕事をする相手を選べます。

嫌いな先輩も面倒な得意先も関係ありません。理想の仕事環境を自分で作っていけるのです。仕事に自信はあっても対人コミュニケーションに苦手意識のある人には、一番のストレス源がなくなるので最高と感じるのではないでしょうか。

若いので失敗してもやり直しがききやすい

新卒でフリーランスになるとしたら、多くは22~24歳辺りでしょう。この段階であれば、まだ若いので失敗してもやり直しがききやすいのが大きなメリットです。

フリーランスとして限界を感じ、やはり就職しようと考えた時に、まだ20代前半であれば第二新卒として就活を始められます。ある程度の年齢を重ねると、失敗してもそういった形での取り返しは付きにくくなります。

金銭面が何とかなりやすい

フリーランスになると、すぐにはお金を稼げないことが大半です。しかし、若ければ金銭面が何とかなりやすいと言えます。

まず、20代前半は多くの職場で最も欲しい層です。フリーランスで稼げていなくてもアルバイトでの働き口がたくさんありますので、収入をそこで補填できます。

また支払う税金や保険料などもまだ安く、生活を圧迫されにくいのも利点です。

新卒フリーランスのデメリット

今度は逆に、新卒フリーランスのデメリットについてです。

新卒カードを捨てることになる

一番は、新卒カードを捨てることになるのが痛いですね。

世の中の有名企業や大企業のほとんどは、多くの場合、新卒一括でしか社員を採用していません。大学在籍中に就活すると、もっとも多く企業の門戸が開かれており、選択肢が無限に広がります。この大いなるチャンスを新卒カードと呼びます。

いくら転職が当たり前になった世の中でも、よほどでない限りは中途で入れない企業も多数存在します。新卒カードがあれば、極端に言うと何のスキルがなくても、そういった企業に入れる可能性があるのです。

一度フリーランスになってから、やっぱりあの会社に入りたい……となっても、その時には既に門は閉じられています。新卒カードは、大卒の最も大きな特典といえるでしょう。それをみすみす捨てることになるのが、一番のデメリットです。

新人研修が受けられない

新卒カードの話とも関連がありますが、新人研修が受けられないのもデメリットのひとつです。

日本社会においては、大学を出たら新卒として企業に入社するのが一般的です。企業は一括で採用した大学生に、新人研修で社会人としての常識を教えます。学生からすると、利益をまだ生んでいないのに月額20万円程をもらいながら学べるオイシイ期間です。

このタイミングを逃すと、残念ながら手厚いサポートはなかなか受けられません。中途入社は元からスキルのある人を採用するため、新人研修で学ぶような内容はできて当たり前とみなされるからです。

新人研修が受けられるのは、新卒で就職した人だけが手にできる特権と言っていいかもしれません。使えるものは使えるうちに使っておきたいですよね。

フリーランスに新卒でなるのは、せっかくの新人研修の機会を失ってしまうのも大きなデメリットといえそうです。

会社の看板による社会的信用がない

会社の看板による社会的信用がないのも大きいですね。

大企業の部長だった人がずっとちやほやされてきたのに、定年を迎えて退職した途端に周りに誰もいなくなった……といった話を聞いたことはありませんか?そのくらい、会社の看板は大きなものです。

ただの若者では、海のものとも山のものとも分かりません。しかし「○○会社の新人さん」という立場になるだけで、取引先などからあたたかく迎えてもらえます。その社員が信用できそうな顔をしていたからではなく、会社の信用の下に入ったからです。

会社は長年の取引の積み重ねの中で信用を築き上げてきています。会社員になればそれを自分も享受できますが、フリーランスではそうはいきません。0から築いていかなければならないのです。途方もない時間が掛かり、信用を得られる前に資金が尽きてしまうかもしれません。そんな大変な場所に、わざわざ漕ぎ出すのは得策でしょうか?

また社会的信用がないと、クレジットカードを作ったりローンを組んだりできなくなる点も不利になります。

己の身一つで仕事を獲得し続けなければならない

己の身一つで仕事を獲得し続けなければならないというのも、ハードルが高いところです。

企業に入社すれば、自分から仕事を探しに行かなくても上から降りてくるのが一般的ですよね。極端に言えば仕事をしていなくても、既定の日数ぶん出社していれば給与は貰えます。いくら成果主義と掲げる企業であってもそれは同様です。

フリーランスではこういう状況は絶対にありません。自分で仕事を探し、見積もりを作り、金額を交渉し、仕事を獲得し、納品したからお金が入ってくるのです。そして、相手の期待を大幅に超えるレベルで仕事を成功させなければ、次はありません。

「でもクラウドワークスやランサーズのようなクラウドソーシングサイトに登録しておけば営業をかけなくても良いのでは?」と思う方は、一度でいいので掲載されている業務の単価を確認してみるのがおすすめです。現実はそんなに甘くありません。

事務作業を自分で全てしなければならない

フリーランスだと、会社員と違って事務作業を自分で全てしなければなりません。

たとえば年金、保険料、税金などの手続き。会社に行っていると総務が全てやってくれますが、フリーランスだと確定申告を自分でする必要があります。めんどくさそうな印象を受けると思いますが、実際に面倒ですし、税金関連の知識も必要です。

こういう作業が得意なタイプの方もいらっしゃるかとは思いますが、フリーランスでやっていくぞ!という外向きのパワーで動いている人の中には、こういった地道な作業は苦手な人も少なからずいると思います。メイン業務でないところに大きく力が取られてしまうのは、地味に痛いところです。

最低限!新卒フリーランスに求められるスキルや資質

ここまでメリットとデメリットを見てきましたが、ここからは、新卒フリーランスに求められる最低限のスキルや資質について解説します。以下に挙げるものくらいは身に付いていないと、なかなか厳しいですよ。

自ら学べる力

フリーランスになると、会社員のように手厚い研修を受けたり、先輩について勉強したりはできません。自ら学んでいける力は必須です。

これは業務上のスキルの話ばかりではありません。就職した経験がないうちにフリーランスになると、通常であれば新人研修で学ぶような社会人としての基本的なビジネスマナーすら身に付いていない場合もあります。

どれだけ仕事ができていようと、そういった部分がおろそかになると信頼されません。何事においても、どんどん知識を吸収して実践していくのが大切です。自ら学ぶ姿勢を崩さないようにしましょう。

人脈を作れる力

人脈を作れる力も重要になります。新卒に限らず、フリーランスとなり独立すると、最初のうちに来る仕事のほとんどは友人や知人のつながりからです。

これはすなわち、仕事をくれるような立場の人たちとの関係性を作れることがいかに重要かを表しています。大学生のうちから、色々な飲み会やイベントに行って顔を売りましょう。

とはいえ、ただ名刺交換をするだけでは意味がありません。この人に仕事を依頼したいと思ってもらえるよう行動するのが大切です。そのためにも、実績づくりに勤しみ、日頃からスキルを磨いておく必要があるでしょう。

またSNSを活用して自分を売り込み、知名度を上げるのも有効です。余力があれば、ブログの運用もおすすめですよ。良い集客やブランディングのツールになりますので、ぜひ始めてみてください。

自律できる力

フリーランスになると、会社員のように上司からの指示を受けません。それだけに、自律できることはとても重要です。

自分で取ってきた仕事に対して、自らスケジュール立てを行い、その通りに遂行していかなくてはなりません。無計画な人では、まずこの一連の流れができませんよね。納期ギリギリになっても手伝ってくれる人はいないのです。

フリーランスであれば、朝から夕方まで仕事をする会社員的な生活スタイルに縛られないのが魅力です。ただし裏を返せば、自分で自分をしっかりと律することができない人はどんどん堕落してしまいます。昼夜が逆転しやすいのはフリーランスのあるあるです。

不規則な生活をしたり、仕事を徹夜で無理矢理に仕上げたりが続くと、体を壊してしまいやすくなります。もし無理をして倒れてしまえば、代わりもいないので一巻の終わり、その瞬間に収入は途絶えます。

一度でもそんなことを起こしてしまえば、復活しても新しい仕事が入って来にくくなります。クライアントからすれば、「急に倒れて納期が遅れるような迷惑な奴には二度と仕事を頼まない」となりますよね。フリーランスはそんなリスクをはらんでいるのです。

仕事の面でも、体調の面でも、自己管理ができていないと仕事が完遂できません。自律は最も大切な資質かもしれませんね。

新卒で就職してからでも遅くない!フリーランス自体はアリ

今回は、新卒フリーランスへの世間からの意見、メリットとデメリット、新卒フリーランスに求められるスキルや資質についてお伝えしました。

以上を踏まえると、フリーランスになるのが良くないわけではありませんが、やはりまずは就職した方が良さそうですね。

いずれはフリーランスに……と考えているなら、まずは就職して働きながら、退勤後やお休みの日にだけ仕事を受けるのも手です。そのうちに、「会社に行きながらでは仕事を受けきれなくなってしまった」という状況になるかもしれません。そこがフリーランスを考えるタイミングではないでしょうか?

「会社員になるのはダルいからとりあえずフリーランスになろう」などと考えるのは、早計とお分かりいただけたと思います。ほとんどの場合、会社員より何倍も苦難の道が待ち受けています。

大切なのはフリーランスになることではなく、自分が納得する仕事をしながらも、生活できるだけのお金を獲得できる状況を長く続けることですよね。目的を手段が入れ替わらないように気を付けながら、人生の選択肢を選んでください。