昨今の就活では、かなり取り入れられる機会が増えたグループディスカッション。
1対1の面接と比べると、気楽に参加できるという人も多いのでは。しかし、だからといって、ぶっつけ本番で参加していいわけではありません。
テーマが発表されるのは当日なため、具体的な議論の内容までは想定できませんが、ある程度は本番前に練習しておけます。
本記事では、一人や複数人でグループディスカッションの練習をする方法と、おすすめのグループディスカッションセミナー・練習会についてお伝えします。
もくじ
一人で行うグループディスカッション(GD)の練習方法
グループディスカッションは複数名で行うものですが、一人でできる練習もあります。むしろ、これをしっかりやっているかどうかが明暗を分けるのです。
まずは、一人で行うグループディスカッションの練習方法についてお伝えします。特別な準備は必要ありませんから、ぜひ日常に取り入れてみてください。
定義を決める練習
第一に、定義を決める練習です。定義とは、ある概念についての内容を言葉で明確に限定するという意味で、一般的には共通認識を持つために行われます。
グループディスカッションでは定義づけが重要になります。たとえば「いい会社とは何か?」と問いがあったとして、これに対する明確な回答はありませんよね。「売り上げの大きい会社」「社員を大切にする会社」「社会貢献度が高い会社」など、人によって認識はさまざまです。
ゴールを決めるため、議論の最初は自分のグループ内で定義づけをすることになります。これはやり慣れていないと意外と難しく、事前に訓練をしておくのが鍵。
普段の生活で何となく使っている言葉を具体的に置き換えるとトレーニングになります。何気なく「すごいね」と言ったとして、何がすごいのか、どうすごいのかを自分で定義するのです。言った本人しか分からない言葉を相手にも伝わる言葉にすると言ってもいいかもしれません。
普段からあいまいな言葉を使わない、使ったら具体的に定義づけをする、と癖付けていきましょう。
仮説を立てる練習
仮説を立てる練習も有効です。グループディスカッションは、出されたテーマに沿って議論を行いますが、その際に適切な仮説を立てられるかが肝となるからです。
仮説と聞くと難しく感じるかもしれませんが、実はあなたも普段やっているはず。
たとえば、ニュースで「今朝は大雪で大幅に遅れている路線が複数あります」と聞いたとします。するとあなたは、「電車が遅れる可能性があるのなら予定より早めに出よう。地上だと遅延の割合がより高まりそうだし地下鉄で迂回しようかな」などと考えますよね。
これは無意識のうちに「自分が乗る予定の電車が遅延している」と仮説を立てた上で考えているためです。その上で問題を分解し、状況を分析した結果、早めに出ようと結論を導いたのです。このとき、最初に置いた不確定な結論を仮説と呼びます。
普段から、さまざまなことに対して意識的に仮説を立てて考えてみましょう。
思考力を高める練習
思考力を高める練習をするのも良いでしょう。自分の意見を持つ練習とも言えます。グループディスカッションはグループでひとつの結論を導き出すものですが、出発点はそれぞれの意見であり、この意見を発さないとマイナスポイントとなるからです。
気になるニュースがあったら、それに対して自分はどう考えるか?をまとめてみましょう。もともとは人前で発表するのが苦手な性格だとしても、自分の意見をまとめる習慣ができていると、その延長線上で意外とスムーズに発言できるものです。
ニュースに限らず、日常の色々なところで「なぜ?」を考えるようにするのも良いですね。そのためには何に対しても好奇心を持つことです。
「なぜ信号の赤は上にあるのか?」「なぜ自動販売機は3列なのか?」など、道を歩いているだけでもそのつもりになれば気になるトピックがたくさんあると思います。
それぞれの問いに対し、正しい回答は必要ありません。たくさんの疑問を持ち、それぞれに自分なりの答えを出す習慣を付けましょう。
意見を持つ練習ができていないと、他の人の意見に流されやすくなってしまいます。しかし思考力を鍛えておけば、他の人の意見にも柔軟に対応できます。
繰り返しにより思考力が磨かれていきますので、是非やってみてください。
複数人で行うグループディスカッション(GD)の練習方法
一人でもできる練習方法が分かったところで、続いては複数人で行うグループディスカッションの練習方法を解説します。
仲間を集めて模擬グループディスカッションをする
就活をしている友人たちを集め、模擬グループディスカッションをしてみましょう。
この良いところは、なんといっても気軽にできるところ。授業の空きコマに大学のラウンジなどに集まってやってみてください。
せっかくならただ議論するだけでなく、終わった後に振り返りをすると効果が高まります。お互いの良かったところや改善すべき点を伝え合いましょう。
また、交代でグループディスカッションを外から見る役を作ってみると、「人事はこういった部分が気になりそうだ」と分かるのでおすすめです。
もしくはグループディスカッションを行っている様子を撮影しておいてみんなで見るのも、新たな発見があるでしょう。話の内容や進め方だけでなく、「いつも髪をいじってしまっている」「思ったよりみんなの顔が見られていない」などのくせが分かります。
ポイントは、友達だからといってじゃれないこと。ふざけてやっていては意味がありません。心の中では初対面の相手と思いながら取り組みましょう。
セミナー・練習会に参加する
最も手っ取り早いのは、セミナー・練習会に参加することです。
練習の相手が見当たらない場合だけでなく、普段は友達と練習している人でも参加してみるのがおすすめ。
選考におけるグループディスカッションでは、知っている人がいません。友達と練習するのももちろん良いのですが、知らない人と実際にグループディスカッションをしてみる経験は、しておいて損はないでしょう。
対策セミナーや練習会を探して足を運んでみてください。おすすめを次の章でお伝えします。
おすすめのグループディスカッション(GD)セミナー・練習会
上でも述べましたが、グループディスカッションの練習をするには、実際にできる場に行くのが一番です。
ここからは、おすすめのグループディスカッションセミナーや練習会をご紹介します。
東京GD練習会
「東京GD練習会」は、リクルートハブという就活支援団体が運営する、グループディスカッションの練習イベントです。
ここでは、実際に企業で出題されたテーマを元にディスカッションの練習を行い、ひとつのテーマごとに20〜30分の時間をかけて議論をし、グループごとに発表します。
アウトプットと、それに対するフィードバックを大切にしているので、発表内容については高倍率企業の内定者からフィードバックがもらえるのがポイントです。
DEiBA式 ロジカルシンキング入門
デアイバカンパニーの「DEiBA式 ロジカルシンキング入門」は、サブタイトルに「グルディス選考突破を実現する論理的思考入門」とあります。実際はグループディスカッションの対策セミナーです。
このセミナーでは、グループディスカッションで利用できるフレームワーク(考え方の型になるもの)の解説を聞いた後に、実際にグループディスカッションを行います。論理的思考が身に付きやすい内容が売りです。
また、「出会いの場」という、その場で企業からスカウトがもらえるイベントもありますので、グループディスカッションに自信が付いてきたら挑戦してみるのもおすすめです。
グループディスカッション実践講座
グッドファインドが開催するグループディスカッション実践講座は、理論・実践・フィードバックを繰り返すことによるスキルアップを目的としています。
ディスカッション→講義→ディスカッション→講義→ディスカッションという構成になっており、解説で聞いた内容を次のグループディスカッションですぐに使えるのが魅力です。
チームビルディングやファシリテーションなど、ビジネスの場でも使える議論の方法を教えてもらえますので、社会人になる準備としてもおすすめですよ。
まとめ
今回は、一人や複数人でグループディスカッションの練習をする方法と、おすすめのグループディスカッションセミナー・練習会についてお届けしました。
グループディスカッションの練習と聞くとハードルが高そうに感じますが、日常生活の中でも取り組める内容が思いのほか多いとお分かりいただけたのではないでしょうか。
少し視点を変えるだけで、グループディスカッションに向けての訓練はできます。移動時間に音楽を聴いたりゲームをしたりするのも悪くないですが、時には外にも目を向け、周りの就活生に差が付けられる考え方を身に付けてください。