「就職活動を始めるにあたって、何か資格をとりたい!」
そう思っているあなた、資格に過度な期待を抱くのはやめましょう。正確に言うと、ちょっとやそっとで取れる資格に時間を使うのなら、面接の練習や業界分析をする方が良いのです。
なぜ、就職に役立つ資格を紹介する記事なのに、このようなことを言うのか。
実は、企業は資格をそこまで重視していないからです。後述しますが、根拠となるデータも出ています。
とは言え、就活で有利になりやすい資格があるのもまた事実。全くのムダではないのです。そこで今回は、就職と資格の関係性や、取得をおすすめする資格について解説していきます!
もくじ
資格は企業から重視されていない!?
引用:リクルートキャリア 就職白書2018
冒頭で、資格は就職で重視されないことが多いと述べました。
実際、リクルートキャリアが発表した「就職白書2018」によると、就活生に対して資格を期待している企業はわずか8.3%。業界によって偏りはあると思われますが、10社受けて1社に当たるかどうかだと、効率が良いとは言えませんね。
一方で、人柄を重視する企業の割合は92.1%、熱意については77.6%もあります。そのため、資格よりも、あなたの性格・価値観・熱意といった内面を魅力的に伝えることの方が重要なのです。
資格よりも人柄や熱意が重視される理由
なぜ、能力を明示する指標よりも、人柄や熱意が評価される傾向にあるのでしょうか。
そこには、日本企業の習慣が大きく関係しています。
日本では就職した人を内部で育てるという考えが根付いており、資格は入社後に取得してもらうのが一般的です。そのため、採用段階では能力よりも、後の成長を期待できるだけの”人となり”が注目されるわけです。
就活生は、どうしても過去の実績や経歴をアピールする傾向にあります。しかし、実際に企業が重視しているのは人柄や熱意。このズレを活かせば他の就活生に差をつけることができそうですね。
それでも取るなら!就職に役立つ資格の特徴と例
先ほど、資格は就職において重視されないとお伝えしました。しかし、無意味というわけでもありません。
「評価ポイントとしての優先度が低い」だけであって、効果的なアピールになる資格はあります。ここでは、就活で役立つ資格の特徴と、具体例をご紹介します。
職務において汎用性が高いもの
1つめは、汎用性が高いかどうかです。
いろんな部署で活躍してくれそう、社会人としての基礎ができていそう、といった印象を与えられるものを保有しておくと強みになります。総合職や、異動の多い企業であれば、より当てはまりますね。
具体的な例としては、
・簿記検定:社会人には、財務情報を読み取るスキルが当たり前のように求められます。簿記検定2級以上を持っていれば、すでに一定の会計知識があると認められ、採用で評価されるでしょう
・TOEIC:730点以上持っていると、海外企業との交渉役や海外勤務といったグローバルな領域にも携われるようになるでしょう
等が挙げられます。役立つシーンが多いので、取得して損はありません。
専門性があるもの
次に紹介する特徴は、専門性です。
「さっきの汎用性と矛盾するじゃないか!」と思う人もいるのではないでしょうか。そう、真反対です。だからこそなのです。
業界や職種を絞って就活するなら、仕事に関わる前提知識の有無を、資格という形で明示するのも効果的。たとえば、以下のような資格が挙げられます。
・ファイナンシャルプランナー:金融や保険業界において、業務内容をスムーズに理解できる分、教育コストが低いと企業から思われ有利に働くでしょう
・基本情報技術者:IT系であれば、基本的な知識の備えとして必要になるでしょう
このように、入社時点で最低限の知識と能力が求められる仕事を狙う人は、専門的な資格を身に付けておくと、他の学生よりも優位に立てます。
難易度が高いもの
3つめの特徴は、難易度の高いものです。
合格率が10%を切るような資格を有していれば、計画的に勉強を続け合格した実績のアピールができます。
具体例は、
・宅地建物取引士:不動産流通に関する専門資格。取得すれば、資格手当が毎月出る会社も。不動産業界を志望するのであれば、ぜひとも取得しておきたいですね
・社会保険労務士:国家資格の一つで、どの企業にも必要な人事・労務にまつわる専門知識を保証できます。また、志望先がブラック企業かどうか見分けられるようになる付随的メリットもあります
高難度なだけあって、担当者に「おっ」と思わせられるでしょう。ただ、勉強量が多くなるので、他のことに手が回らなくなる可能性も。狙うなら、計画をしっかりと立てて挑まなければなりません。
資格以外で就職に役立つこと:インターンがおすすめ!
資格でなくとも、就活で役立つ経験や活動はまだあります。
中でもおすすめなのがインターン。ここでは、海外インターンと国内長期インターンについて解説します。
海外インターン
まずおすすめするのが、海外インターンです。
海外インターンはその名の通り、海外でインターンシップをする活動を言い、期間は1か月~1年ほど。
異国の地での就労体験を通じて、語学力だけでなく、何事にもくじけない精神力を得られます。また、今までにない価値観の中で自己と向き合えば、自分が本当にしたいことは何かなど、隠れた内面を知るきっかけが掴めるのも海外インターンの魅力です。
海外企業への就職も、選択肢に入るようになるかも知れません。キャリアの選択肢は間違いなく広がるので、興味があるならチャレンジしてみましょう。
国内長期インターン
次は、国内長期インターンです。
主に3か月以上のインターンを指し、企業紹介の色が濃い短期インターンよりも、多く実務経験を積めます。業務知識を深めることで、志望動機や将来のビジョンがより明確になるでしょう。業界や職場とのミスマッチを防げるメリットもありますね。
さらに、社員と接する期間が長い分、仕事について細かいフィードバックが貰えます。自分の長所・短所やクセを整理するのに有効です。
「海外はちょっと……」という方でも、国内であれば参加しやすいのではないでしょうか。ぜひ検討してみてください。
まとめ
今回は、就職に役立つ資格について解説しました。
実は、企業があまり資格を重視しないことがわかりましたね。ですが、必ずしも無意味でもなく、中には有用なものもあります。難易度の高さから取得に時間がかかることも考えられますので、計画的に勉強を進めるようにしましょう。
資格以外なら、やはりインターンがおすすめです。気になる企業が募集していたら、ぜひ応募してみてください。
本記事が就活の参考になれば幸いです。