就活コラム

2019/10/08

Panteneの就活ヘアキャンペーンが今後起こしうる変化について

10月1日、多くの企業で内定式が実施されました。
毎年行われる内定式ですが、今年は一部例年とは異なる雰囲気が見受けられるところもありました。
それは
「#令和の就活ヘアをもっと自由に」
というP&G Japanのヘアケア製品ブランドのパンテーン(Pantene)が始めた新時代的なキャンペーンが行われていたことです。

本記事ではこのキャンペーンが今後の就活事情に起こしうる変化について考察していきます!
個や個性が尊重されるようになってきた時代だからこそ、これからは集団で活動することとのバランスが重要になっていくことでしょう。

 

「#令和の就活ヘアをもっと自由に」とは?

#令和の就活ヘアをもっと自由に、というキャンペーンは髪色は黒で全員同じような髪形をしている従来の就活ヘアに一石を投じ、もっと自分らしく個性を表現できるような髪色髪型で就活を行ったり内定式に参加しようというキャンペーンです。ヘアケアのブランドらしく、髪色や髪型から社会の凝り固まった暗黙の規則に対してアプローチしようという取り組みで、実際駅で大きな広告を見た人も少なくないのではないでしょうか?

            ※パンテーンHPより 駅でもよく見られた広告

賛同企業

この就活ヘアの固定概念を壊し、自分らしく振舞おうというキャンペーンに取り組んだ協賛企業は139社にも及びます!
この協賛企業の中には日本テレビやDeNAなど有名大手企業も含まれており、このキャンペーンがいかに多くの企業を巻き込んだり影響力が小さくなかったりしたことを示していますね。
実際に賛同した企業は、
「個性を偽って入社してもミスマッチにつながる。それなら自由であってほしい。」
「これまでの就活ヘアが悪いのではなく、意思をもって選べるような社会になってほしい。」
「ダイバーシティを受け入れていく中で、髪型や服装というのは表現の一つとして自由であってよいと考えている」
といった声を上げており、D&I(Diversity & Inclusion)が推し進められている世の中で時代の変化にあった取り組みを行っていこうという企業が増えてきたことが見受けられます。(日本全体で企業は400万社以上あると思うとまだまだだとは感じますが…。)

パンテーン(pantene)の過去の取り組み

実は今回の「#令和の就活ヘアをもっと自由に」はいわゆるバズったキャンペーンでしたが、パンテーン(Pnatene)は以前からの就活ヘアに対して疑問提起をするキャンペーンを運営していました。
2018年には「#1000人の就活生のホンネ広告」として、就活ヘアで画一的になってしまっている髪型の問題について就活生の声から問題提起を行っていました。
他にも、学校の校則をテーマに「#この髪どうしてだめですか?」というキャンペーンを行ってもいました。
大手企業のP&G Japanのパンテーンでさえ何度かキャンペーンを行って初めて今回のような大きな話題になるということは、就活ヘアをはじめとした髪型の自由や規則というテーマは相当根深いことが想像できますね。

キャンペーンの反響

就活ヘアへの問題提起を行った今回のキャンペーンについては様々な意見が飛び交いました。
SNS上にアップされていた声をいくつか拾ってみました!

肯定的な意見

・めっちゃいい!髪型で合否が変わるなんておかしい!
・前髪ピン止め、一つ結びとかダセえ!令和の就活ヘアをもっと自由にが本当にそうなるといいな
・就活ヘアをもっと自由にだかうんたらかんたら、もう令和だから。いつまで昭和やってんの笑

などなど、これまでの就活ヘアへの不満などから、このキャンペーンに対して肯定的な意見が挙げられていました!

否定的な意見

・ どこの就活生が髪色自由で就活する度胸あるんだよ!
・結局内定を出すか出さないかは個人の自由ではなく企業側だ
・ 就活ヘアって言ってるけど、内定式の話じゃん!

などと、キャンペーンへの批判というよりは、このキャンペーンがバズったとしても何も変わりえないということが批判的に書かれていることが多かったですね。SNS上のコメントからわかってくることは、確かに就活ヘアを変える取り組みは悪いものではなく時代の流れにあってはいるが実際に取り組むとなると難しい、ほかにももっと変えてほしい所がある!といった、企業への不安や不満が垣間見えてきますね。

これから起きうる論争について

ここまで、パンテーン(Pantene)の行った就活ヘアに関するキャンペーンについてお伝えしてきました。
ここからは、このキャンペーンを通して見えてくる自由と規律やまだまだ拭えていない問題について解説していきます!

現場で起きてる違和感

※左の写真は朝日新聞デジタルより
就活ヘアのキャンペーンを受けて自由な髪形で内定式に参加する内定者が散見されました。
各々が思い思いの髪型や髪色をしているはずなのに何か違和感を感じますよね?
ネットやSNSでも話題になりましたが、見た目がアンバランスになってしまっているのです。自由な髪形や髪色を謳い、内定者もそれに合わせて様々な髪形や髪色で内定式に参加していますが、服装は黒基調のスーツで違いがなく、さらに黒基調のスーツに個々の思い思いの髪型や髪色があまり組み合わせとしてあっているのかというと議論を生みそうですね。

ではなぜこのような事態が起きているのでしょうか?

今回のキャンペーンは学生を対象に、髪型や髪色の自由を謳うものでした。
しかし、今の形式的な内定式や就活の服装は就活ヘアだけでなくメイクや服装にも決まりきったフォーマットのようなものが存在します。個性を押し出していく社会にしていくには、就活ヘアだけでなく、ほかにも凝り固まった概念を変えていくことが必要となります。
つまり、学生だけでなくより企業や世の中のトレンドに対してもアプローチを行っていくことが、この就活ヘアへのキャンペーンの効果をより高めていくうえで重要になってくると思われます!

自由と規律のバランス

さて、ここまでパンテーン(pantene)の就活ヘアに関するキャンペーンについて解説してきました。では、このままどんどん就活ヘアの縛りなどなしに世の中の就活スタイルは進んでいくべきなのでしょうか。
この問いに対して明確な解はないといえるでしょう。というのも、そこには自由と規律のバランスが大きくかかわってきます。
まず就活において、就活生を評価し採用するのかどうか決めるのは就活生ではなく企業人事です。どれだけ就活生が自己を表現するような就活ヘアや服装と面接に行ったとしても、企業の人事からの印象が悪かった場合、不本意な理由で落とされると何とも言えない気持ちになってしまいますよね。

近年は個の時代となり自己実現や自己表現が盛んとなっています。ではなぜ、自己表現をすることから、企業の人事に受け入れられず落ちてしまう可能性があるのでしょうか。


それは、企業は顧客がどう思うのか、を最優先に考えるものだからです。企業はあくまで顧客に価値提供を行い、その対価としてお金をもらい利益を上げ、株主や自社に再配分するような構造になっています。ですから、企業を存続させるためにも顧客を優先する傾向にあります。
するとどうでしょう。金融業のようなちょっと硬派な業界や、多様な顧客と接点を持つ営業職などの場合、あまり個性的だと受け入れがたい顧客も現れてしまうでしょう。それならば、「一般的」と表現されるような、ある程度マニュアルのようなものになぞった装いをしていた方が顧客を失うリスクも少なく活動できると考えると企業の人事の考えも理解ができると思います。

また、時として私たちは規律によって守られている部分もあるのです。
会社の規則に則った行動をとることで。顧客からクレームが来たとしても自身の正当性を示したり、会社が庇ってくれたりすることもあります。なぜなら、規則に則っていたため、組織の責任ととらえられるからです。
一方で、自由になるということは、自身が追わなくてはならない責任も相応のものとなっていきます。
つまり、私たちは規律や統一感を持つことによってリスクを最小限に抑えて日々活動しているのです。これは就活ヘアの件でも当てはまります。
統一的な就活ヘアや服装は髪型がNGというような理由で落とされるリスクを最小限に抑える効果を持っています。ですが、個性を出した髪型や髪色から企業の人事の印象に残ったり、見た目からあの人だ!と個人で特定してもらえるようになるかもしれません。

このように、個性を出す出さないにしても一長一短がある中で、どのような選択をとるのか。また、規律の範囲内でどうやって個性を尊重していくのか。そもそも仕事の場において個性の優先順位はどれほど高いのか。この就活ヘアを変えていくというキャンペーンから、選択の自由や個性の主張をすることについて社会全体がまだまだ考える必要があるいうことに気づかされる機会となったのかもしれませんね。

このキャンペーンの先に

話題になった「#令和の就活ヘアをもっと自由に」を振り返ってきました。
就活生の皆が同じような装いをするのではなく、個性を各々出していこうという現代的なキャンペーンでもありましたね。
ですが、上に述べたようにすべてを新しいものに合わせるのではなく、なぜこれまで続いてきたのかも考えていく必要がありそうですね。

皆さんは今後この就活ヘアの変化はどのように移り変わっていくと思いますか?

新しい画一的な就活ヘアが生まれてしまったり、リクルートスーツの色が全員灰色だったりと、変化はあれど本質的な変化が起きない未来が来てしまうかもしれませんね。
今後もこの就活ヘアや、個性を出すというところに注視してみましょう!