就活コラム

2019/06/12

通年採用の解禁と学生が気を付けるべきこと

経団連が大学側と新卒採用に関して「通年採用」に移行してくことで合意したと発表しました。今年度の就活から突然変わるわけではありませんが、3年後の導入を目指しての動きが本格化していく見通しとなっています。従来の一括採用がなくなるというわけではありませんが、今後は通年採用を大手企業をはじめとした多くの企業が採用することが想定されるため学生の皆さんは今後の企業や経団連の動向を注視していく必要があります。

さて、今回の記事ではそんな話題の通年採用が始まる中で学生側の気を付けておくべきことを紹介していきます。

そもそも通年採用とは?

まず初めに通年採用が一体どんなものなのか、従来の一括採用との違いを踏まえて説明します。従来の一括採用は、3月の説明会解禁から6月の面接開始、4月1日に一斉入社というような、タイムラインが画一的なものでした。これは日本の学校の4~3月制に合わせたものになっています。一方で通年採用というのは、決められたタイムラインはなく1年中、採用活動/就職活動を行うことができるという体制です。この体制により帰国子女の学生や海外留学帰りの人でも、国内の学校に通う学生と同じようにフラットに就活をすることができます。新卒一括採用という概念がない外資系の企業では以前から当たり前に行われていた体制です。

通年採用が学生に与えるメリット・デメリット

ではこの通年採用に切り替わった場合、学生はどのようなことに気を付けていくことが必要なのでしょうか。学生にとっての通年採用のメリット、デメリットを踏まえながら解説していきます。

通年採用になることで学生にどんなメリットがあるのでしょうか。

採用されるまでの窓口が広がる

これまでの新卒一括採用では、3月解禁の説明会など全員が同じタイミングで就職活動を行うため、企業の門戸はわずかな期間しか空いていませんでした。しかし、通年採用になることで企業と学生の間で接点を持つことができる期間が格段に増えます。そのため、就活前のインターンなど早期の接点からそのまま採用につながるケースの増加が想定されます。また、これまではあまり見られなかった秋以降の採用枠も増えることでしょう。そのため、日頃からの企業との接点を設けておくことは通年採用を活かすポイントとなっていくでしょう。

学生時代に挑戦したいことへの障壁が下がる

従来の新卒一括採用では3月説明会解禁などもあり、大学時代に頑張っていた部活動やサークルを早めに引退したり、就活と並行して行うことで他の活動がおろそかになることが多かったのではないでしょうか。あるいは、就活の影響で留学を諦めたり期間を短く削ってしまうこともあったのではないでしょうか。しかし、通年採用になると4年生最後の大会をやり切った後から本格的な就活を開始することができたり、時間の問題でいけなかった留学も諦めずに参加し、帰国後に就活をすることも可能となるでしょう。そのため、大学生時代にやりたいことや熱中していることを最後までやり遂げることが可能性が高まるでしょう。

大学時代に頑張ったことや熱中したことは就活のアピール材料にもなるので、やりたいことがある学生の皆さんはあきらめずにどん欲に機会に挑戦していきましょう。

就活失敗のリスクが下がる

これまでの新卒一括採用では、決められた期間のみしか企業も採用活動を行ってこなかったので、就活のスタートが遅れてしまったり採用されないことが続くと、いつの間にかどの企業も採用を締め切ってしまい就活失敗、就職留年・浪人ということが起きていました。しかし、通年採用に切り替わることで、企業の採用窓口の開いている時間が長くなり内定をもらうことなく就活が終わった…ということには格段に減少するでしょう。

ですから、通年採用に切り替わることで望んでいなかったモラトリアム期間を過ごすことなく社会人になれる可能性が高くなるでしょう。

通年採用にはメリットだけでなく、いくつかのデメリットも潜んでいます。それらについての気を付けるべきことも述べているので併せて確認していきましょう。

就活の終わりが見えない

通年採用になることでどの企業も一年中採用活動をしています。そのため、就活をいつまでもすることができます。すると、内定をもらったとしても他の企業が募集を続けているため、「あの企業面白そう…」「あっちの企業の方が条件がいいな…」など、いろいろ気にし続けて就活が終わらない可能性があります。また、企業側も採用期間の制限がなくなるため、より自社に合った学生を採用するべく面接の回数が増えたり、個別面談やインターン参加を求められるなど、内定をもらうまでの道のりも長くなっていくことが考えられます。さらに、このように悩む時間が続き就活がずっと続くと金銭的負担も大きくなります。企業に通うための交通費や、遠方を訪れる場合は宿泊費などもかかってくるでしょう。そうすると、アルバイトに割く時間が増えたり、欲しいものを変えなくなるなど負の影響が考えられます。

学生の皆さんには、そうしたことで就職先を迷ってしまったり一年中就活をしないように、これまで以上に就職先企業を選ぶ判断軸を明確に持つことが大事になります。いろいろな企業がある中で、自身が働くうえで何を大事にしたいのか、会社の風土なのか、働く条件なのかなどを明確に持って就活をすることが必要となるでしょう。

大学の目的を見失ってしまう可能性がある

大学に進学する目的は人それぞれでしょう。ですが、通年採用によって就活に学生生活の多くの時間を割かれ当初の大学生活での目的を果たせない可能性があります。メリットのところでは、大学時代に頑張ったことや熱中したことを最後までやり遂げることができると書きましたが、その逆もあり得るということです。通年採用によって、学生生活において常に就活というものが身近なものとなっていきます。そのため学年が低いうちから、インターンへの参加が推奨されたり周りの学生が早期に就活を始めることで、焦りが生まれ周りに合わせるようにインターン参加をしたり、とりあえず早めに就活というような意思のない時間を過ごすことになる可能性があります。また、このような就活に踊らされて時間を使っていくことで学校で勉強する時間が減っていき単位を落としたりゼミで学ぶ機会が減ってしまう可能性もあります。

そのため、大学生活という限られた時間の中で、何を求めてどのような時間の使い方をしたいのかを明確に持っておくことが大事になります。

結局は自分次第

このように、就活の体制が変わることで様々な変化が起きてくるでしょう。経団連は3年後の実装に向けて中間報告を回収し、大学側と連携を図ることでできるだけ学生に負担にならないような体制にすることを計画しています。ですが、どれだけ体制が変わろうとどのような大学生活を送り、どのようなスタンスで就活をするのかも自分次第です。限られた学生生活の時間をどのように有効活用していくためにも、目的を明確に持つことや、変化する就活の体制に注視し、経団連や企業の動きを追っていくことが大事になるでしょう。