就活コラム

2020/08/30

文系大学院は就活に不利なのか?文系大学院に進学するメリットや就職事情

「初職の獲得における優位性は、理系大学院>理系大学・文系大学>文系大学院という順番になる。」
「本研究の主要な結果は、(文系大学院と比較した場合)理系大学院に就職プレミアムがあり、文系大学院のそれは負であるという、ある意味ショッキングなものである。」
日本労務学会誌 2015年16号「大学院卒の就職プレミアム 初職獲得における大学院学歴の効果」

引用先の文章が示すように、文系大学院生の就活の厳しさは度々伝えられてきました。しかし、就職活動において文系大学院生という肩書きは本当に邪魔なのでしょうか?

心配しすぎる必要はありません。文系大学院だからこそ就活で武器になるようなメリットはあります。本記事では文系大学院の就職が不利と言われる理由や、それを乗り越えるだけのメリット、打開策を解説していきます。

進路を文系大学院と就活のどちらにするか迷っている人や、いま大学院にいて就職に不安に感じている人は、ぜひ最後まで読んでください。そして文系大学院の就職は不利という定説を覆していきましょう。

文系大学院生が就活で不利といわれる理由

それではなぜ、文系大学院生は就活に不利だといわれるのでしょうか。
その理由や背景を1つ1つみていってみると、イメージが先行して不利といわれているだけだとわかると思います。

理由①専門性を活かしづらいため

一つ目の理由は、専門性を活かしづらいためです。

文系の中でも、法律や経済分析などは、企業での業務で直接的に使えることがあり、重宝されます。このように「使える知識」を持つ院生は、学部卒よりも実務的な知識があるので、企業は率先して採用する可能性があります。

しかしながら、哲学や社会学の知識が企業の実務で直接的に活かされることは限りなくゼロに近いでしょう。「2年間研究していたとしても、うちの会社では何の意味があるの?」と首を傾げられてもおかしくはありません。

また、日本のビジネスサイドの新卒採用は、いま何ができるかよりも、今後成長し貢献してくれる可能性がある人を採用する、ポテンシャル採用がほとんどです。
文系大学院生は、大学院での専門領域を仕事に活かしづらいことに加え、ポテンシャル採用のため、そもそもビジネスサイドの新卒は専門性を求められていないというのも、文系大学院生の就活が不利といわれる理由の1つです。

とはいえ、大学院での専門領域を仕事に活かすことにこだわりすぎなければ、特別に文系大学院生が就活で不利になることはないでしょう。

理由②社員の年齢構成比が崩れるため

二つ目は、社員の年齢構成比が崩れるためです。
従来の多くの企業は、ピラミッド型の年齢構成を理想とし、年齢が若い人ほど人数を多くしようとしていました。

というのも、年齢が上がるにつれて、結婚・出産といったライフプランに合わせた退社、病気や介護等による休職等の可能性が高まるとされていたためです。そこでピラミッド型の年齢構成にしておき、一気に人が減るのを防ぐようにしていたのです。
そのため大学院生は、入社のタイミングで学部卒生よりも年齢が上なので、社内の年齢バランスがゆがんでしまうという理由から、嫌煙されることもあったようです。

しかし、上記のようなピラミッド型の年齢構成は、1つの企業で長く勤め上げることを前提としたシステムです。
最近では働き方やライフプランが多様化し、前向きな理由での転職などの機会が増えたため、年齢が高くとも低くとも、退職の可能性はあまり変わらなくなって来ています。
このような理由で、必ずしも年齢に比例して退職者が増えるとは言い難く、ピラミッド型の年齢構成を厳密に目指す企業も少なくなってきています。

理由③文系大学院生への偏見

三つ目は、文系大学院生への偏見です。

そもそも、文系大学院に進学する人自体が稀有な存在と言えるでしょう。たとえば平成30年の学部生の数は約260万人に対して、修士課程に在籍する院生は約25万人しかいません。その中でも、人文・社会科学系を先行する院生は、約16%の4万人とさらに少なくなります。
学校基本調査
文系大学院生とあまり関わることがないため、人事は文系大学院生の実態をあまり知らないのは否めません。だからこそ、偏見を持たれてしまうこともあるでしょう。たとえば、大学院生は親のすねをかじっているだけ、頭が硬い、対人コミュニケーションが苦手で協調性がない、意味のない研究をしているなどです。マイノリティは、一部の人のせいで間違ったイメージを持たれやすいものです。

このように、文系大学院生という肩書きが不利に働くケースが考えられます。しかし、本当に大学院生は社会で活かせるスキルを持っていないのでしょうか。

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文系大学院に進学するメリット

それでは、文系大学院に進学するメリットとは一体何なのでしょうか?

上述のように不利だと言われてしまいがちですが、文系大学院生にも優れているところがあります。なぜなら一つの研究を完成させるには、様々な能力が必要だからです。

論理的思考力が身につく

まずは論理的思考力が身につくこと。

大学院生にもっとも必要な能力は考える力です。ひとつの事象を見つめ、批判的にさまざまな意見を読み、そして自分の意見を持つことの繰り返しです。

よく文系大学院生は孤独などと言われがちですが、教授や他の学生たちとディスカッションをすることもしばしばあります。意見を交換する段階で批判に慣れているのも大切な経験です。それでも自分の意見を貫いたり、時には淘汰されて意見を洗練していくことを日常的に繰り返す中で、論理的思考力がついていきます。

情報収集能力が身につく

情報収集能力が身につくのも大学院生の利点です。研究中は、まだ明らかにされていないことを見つけるために、様々な文献や資料を読み漁り、情報を整理するのが不可欠です。

これを繰り返していると文章読解力が身についてきます。信頼できる情報源から正しい情報を取得する能力があると言え、これは入社後も役に立つスキルです。

プレゼンスキルが身につく

プレゼンスキルが身につくのも有利です。

大学院生は、自分の研究の成果を論文や学会発表で他の人に伝える機会がしばしばあります。そこで書き言葉、話し言葉両方の表現力が身につくのです。社会に出る前から資料を作成し、プレゼンテーションを行うスキルを養うことができるので、学部卒と差をつけられます。

目的を達成するための粘り強さ

大学院生には、目的を達成するための粘り強さがあります。

研究や大学院生活を通し、たくさんの素養を身につけられることは、一般的にあまり知られていないかもしれません。研究参加者を探し出すには、人脈やコミュニケーション能力が必要ですし、壁にぶち当たっても修士論文を完成させる粘り強さが必要です。一人でコツコツ研究をしていそうですが、意外にも大学院生には行動力が備わっていると言えます。

このように大学院では様々な能力を培うことができます。ぜひESや面接でアピールしてみてください。

文系大学院進学or就職で迷ったら?

文系大学院が就職に不利な理由と、メリットの両方を解説してきました。

しかしこれらを読んだだけでは、まだ決められない人が多いでしょう。そこで大学院進学と就職で迷った際のおすすめの解決策を解説していきます。

大学院の先輩に相談する

1つ目は大学院の先輩に相談する方法です。

大学院の先輩たちは今悩んでいるあなたと一緒で、悩んだ末に文系大学院に進んでいるはずです。その選択をした理由や決め手は何かを聞いておくだけでも、意思決定の参考になります。

加えて、就活の状況について聞くのもいいですね。実際に企業からどのようなことを言われているのかや学業とのバランスなど、実際に経験した人にしかわからない悩みを聞いておくことで、事前に対策も立てられるのでおすすめです。

サービスを活用し片手間で就活してみる

2つ目は就活サービスを利用して、片手間で就活をしてみる方法です。

就活を少しかじることで、働きたいのかもう少し勉強しておきたいのかをはっきりさせたり、就活がどのようなものか予行練習として経験を積んだりしてみましょう。

「院進する可能性もまだ残っているし、勉強する時間が必要で就活をしている時間なんてない…!」と思う方もいるかもしれません。就活サービスを使えば、思っている以上に効率よく就活の概要をつかめるはずです。

勉強の時間を十分に確保しつつ、就活の概要だけを掴むためにおすすめの就活サービスは2つ。

1つ目は、就活エージェント。
就活エージェントとは、就活エージェントはES対策や面接練習など、就活全般のサポートを無料で行ってくれ、個々人に合う企業を紹介してくれるサービスです。
基本的に就活は、①自分の志向を明確にする、②志向に合った企業を探す、③選考を受ける、の流れで進みますが、就活エージェントでは、①②の部分を面談を通して手厚くサポートしてくれます。
自己分析に時間をかけたり、企業の説明会に参加したりすることなく、今度自分がどうしたいのかを深掘りすることができ、就職するとしたらどんな企業が合っているのかを知ることができます。
また、もし選考に進む場合においても、通常であれば、「企業説明会→エントリーシート(ES)提出→グループディスカッションによる選考→面接」という流れで進むところ、エージェント経由でのエントリーの場合、面接からスタートできるケースが多いことも大きな特徴です。

2つ目は、逆求人サイト。逆求人サイトとは、プロフィールを登録すると、興味を持ってくれた企業からスカウトが届くサービスです。
スカウトが届くと、サービス上のメッセンジャーツールで、企業の方とのやりとりが可能になるので、あなたも興味が持てる企業であれば、実際に会って話すこともできます。
スカウトを受け取ってから1回目の面談では、そこで急に選考が始まるというわけではなく、1度会ってみましょうという温度感での実施されることがほとんどです。
そのため、「選考を受けるまではまだしたくないけれど、1度企業の人と話してみたい」という方は、OB訪問感覚で利用できるのでおすすめです。
企業との面談を通じ、働くイメージを明確にして、就職するか進学するのかを決めていくと良いでしょう。

文系大学院生の方には大学院生専門がおすすめ

せっかく文系大学院に進学院に進学し、研究に打ち込んだのですから、学部卒の就活生よりも有利に就活を進めるために、大学院生専門の就活エージェントを活用してみましょう。

大学院生専門の就活エージェントでは、研究内容や、大学院での研究に打ち込んだ経験自体に価値を感じている企業を紹介してもらえます。

中でも、アカリク就職エージェントは、大学院生からの知名度も高く、大手からベンチャー企業まで、幅広い紹介企業を持っていることで有名です。

企業紹介以外にも、下記のような様々な特徴を持っています。

・大学院での研究に打ち込んだ経験や、専門的な研究内容を高く評価する企業を紹介してもらえる
・紹介企業がTOYOTAやデロイトトーマツコンサルティング、DMMやmixiなど、大手からベンチャーまで幅広い
・応募手続きや面接日程の調整もやってくれる
・応募書類の添削をしてくれ、書類通過率は8割超え
・アドバイザーのほとんどが大学院卒
・サービスは全て無料で受けられる

時に就活で不利と言われる文系大学院生ですが、学部卒の学生よりも長い期間、深く研究に携わったのですから、その経験は就活で高く評価されてもいいはずです。

こういったサービスを活用すれば、通常の就活ルートで出会う企業よりも自身の大学院での経験を高く評価してくれるので、企業からの評価や選考結果に対して、納得感を持って就活を進められるのではないでしょうか。

文系大学院生は就職に不利なんかじゃない!

結論として、文系大学院生という立場が内定取得を難しくさせる、なんてことはありません。

学部卒の新卒よりも長い時間、学問を通して自分を見つめられるお陰で長所や短所がはっきりするだけでなく、自己アピールのエピソードも増えるので、むしろいいように転がるのではないかとも考えられます。

自分のステータスに囚われず、好きなことに没頭し、経験をたくさん積んでみてはいかがでしょうか。