就職活動は主にESでの書類選考やグループディスカッション、面接があります。その中で最も企業に印象を残せるものといえば面接です。
面接はお見合いとも表現できます。お見合いでお互いにマッチすれば結婚に結び付くのと同じで、就職活動の面接で企業側に「是非うちの会社にほしい」という印象を与えることができれば内定を獲得できるといえます。そのため面接対策はとても重要です。
就職活動の面接対策として志望動機や学生時代に力を注いだこと、自己アピールなどをまとめる学生が多いと思います。とはいえ準備万端で臨んだはずの面接が予想外のことを聞かれてうまく回答できなかったという声も聞かれます。
例えば「面白い話をしてください」、「地球最後の日には何をしますか?」といった質問は、内定とどういう関係があるのか疑問に思う学生もきっと少なくないでしょう。しかし当然ながら全ての質問には意図があります。
では何故このような変わった質問を投げかけてくるのでしょうか。ここからは実際に採用担当者に調査したデータから、具体的にどのようなことを見極めているのかその理由・意図とともに解説していきます。
もくじ
変わった質問をする意図
変わった質問にはどのような意味があるのでしょうか。
その意味とは学生の「対応力」を見極めるためのものです。
社会人になり働くようになると予期せぬアクシデントは多く起こり得ます。そのような時にしっかりと落ち着いて対応できるかできないかで任せられる仕事は変わってきます。つまり企業側が安心して仕事を任せられるのは対応力のある学生といえます。そのため面接という緊張の場であえてアクシデントを起こし、学生がどのような行動を取るのかを見極めているのです。
こちらは実際に採用担当者からの声です。
「瞬発力があるか見極めるために変わった質問をしている」
「社会人になった時の社内外の対応力が知りたい」
「性格や物事を結び付ける能力を試している」
「学生の価値観が会社と一致しているかをはかるため」
「臨機応変に対応できるかどうかを見ている」
「柔軟性や適応力はどうなのか」
「ひとひねり効かせた質問をぶつけてどのようなリアクションをするか」
「用意していた定型文な内容の回答ではなく、変わった質問で焦ったりした際に出てくる素の部分を見ようとしている」
「緊張状態の中で予想外の質問が来た時に前向きに対応できるかを見るため」
「話の引き出しが多いのかが分かる」
変わった質問をする理由をこのように答えているように、企業側は対応力・柔軟性・臨機応変さを求めていることが分かります。
変わった質問への対応
では、変わった質問に対してはどのように対応していけばよいのでしょうか。
最も重要なことは慌てないことです。変わった質問をされることで焦ってしまい、言葉につまったり何を話しているのか分からなくなることもあるかもしれませんが、このような状況が一番悪印象を与えかねません。そのためにまずは慌てず、結論からしっかりと話すように心がけましょう。
また不安な表情を出したりせず笑顔で対応することも大切です。もし言葉につまったり回答が出てこない場合は「少し考えるお時間を頂けますか?」と断りをいれましょう。
これは実際の採用担当者からの意見です。
「変わった質問がきたと感じた場合、即座に答えられなくても仕方ないと割り切ることも重要かと思います。真摯に受け答えすることで時間が多少かかってもしっかり考えた上で答えを出したという印象を与えられます。」
「まずは慌てず、結論から話をするということを徹底しましょう。焦って理由から話を始めると論理的思考ができない人、話が分かりにくい人という印象を持たれます。沈黙のまま何秒も止まるのは一番良くありません。」
このように、採用担当者は学生の素の部分を見抜くために変わった質問を用いているのです。
変わった質問の例
では、面接での変わった質問とは具体的にどのようなものなのでしょうか。ここからは、面接でよく出題される変わった質問の意図と回答のポイント、さらに採用担当者が実際に答えた回答例も合わせてご紹介していきます。
まず、「あなたを動物にたとえると何ですか?」という質問。これはあなたの人柄を見極めようとしています。自分という人間をあえて動物にたとえることで自分の長所と短所などを客観的に表現させようとしているのです。
回答のポイントとして、その企業に入社することでどのようなメリットがあるのかをアピールすると好印象を与えられます。こちらは回答例です。
「馬です。理由は馬の視野は広く350度と言われています。私は部活動で副主将などを務めたことで全体を見渡す力がつき、その経験もあり視野が広くなりました。そのことから動物にたとえると馬だと思います。」
このように質問に回答しながらも、自分をいかにアピールできるかがポイントになってきます。
とはいえ面接の場面で変わった質問に自分のアピールポイントを含めながらすらすらと回答することは容易ではありません。変わった質問がきても動じず回答できるようにするために何ができるのでしょうか。
ここからは変わった質問の対策として具体的にどのようなことをしたらいいのか実際に採用担当者から聞いた方法をご紹介します。
具体的な対策としては主に2つあります。
1つ目は視野を広げ、日頃から柔軟な考え方を意識的に取り入れるということです。そのためにも決まった人とばかりいるのではなく新しいコミュニティへ参加したり、ニュースや本から様々な情報を取り入れるようにしましょう。
そうすることで自然と視野が広がり言葉の引き出しを増やすこともできるため、面接でもスムーズに回答できるようになります。
採用担当者も「群れない。決まった人ばかりと一緒にいないこと。出逢いを求めて他者に関心を持つことで知らない世界の情報収集もでき、自然と受け答えの練習になると考えます。」と言っています。生活の中で常にアンテナをはることで様々な話題やニュースに対して興味関心を持ち、自分の考えを持つように心掛けましょう。
2つ目は事前に質問を予測して自分なりの回答を作っておくことです。インターネットで調べれば変わった質問例やそれに対応する回答例が色々と出てきます。そういったものをベースにした上で自分の意見などを加えてある程度の回答を想定しておけば変わった質問にも慌てず対応することができます。
対応力を見極める
変わった質問それぞれに意図がありますが、面接で変わった質問をする行為自体には学生の対応力を見極めるという意図があります。そのため学生も慌てず冷静に対応するように心掛けることが大切です。
また事前の対策もしっかりと行いましょう。視野を広げることで変わった質問に対応することができます。身の回りで起きている出来事やニュース、新聞の話題にも関心を向けて自分の考えを持つようにしましょう。その積み重ねが面接対策となり、変わった質問にも対応できる力が身に着くはずです。
言わずもがな事前の対策ももちろん重要ですが面接に慣れておくこともとても大切です。本命の企業を受ける前にいくつかの企業の面接を受け、面接の雰囲気に慣れておくのがおすすめです。
事前準備+慣れで変わった質問への恐怖心をなくしていきましょう。